朝、エンジンを切る
par CUMULUS
Pop

Écoute ce morceau sur la radio communautaire Anthem.
Ouvrir sur Anthem · Page de l'artiste · Album : Noëlle Quitte La Ville (1981)
par CUMULUS
Pop

Écoute ce morceau sur la radio communautaire Anthem.
Ouvrir sur Anthem · Page de l'artiste · Album : Noëlle Quitte La Ville (1981)
霜の畑に 車を停めて
キーをもどす 音が消える
ボンネットが チン、チンと鳴いて
冷めてゆく 数を数える
窓の曇りを 手首でぬぐう
六時十分 空が薄青
マイナス二度の 息が白くて
土のにおいが 甘く届く
灰皿に 折った紙きれ
ゆうべの指の 形のまま
朝、エンジンを切る
手のひらが まだ温かい
朝、エンジンを切る
ここで ちょうどいい
持ってきたのは 氷の音と
袖に残った 誰かの香り
置いてきたのは 高い窓と
磨いた床の 笑い声
裾が濡れて 重たくなって
ドレスが露を 飲んでいる
雲のむこうが 桃色になる
畑の霜が きらっと光る
ラジオはまだ 切ったまま
風が麦を 鳴らしてる
朝、エンジンを切る
手のひらが まだ温かい
朝、エンジンを切る
ここで ちょうどいい
誰にでもなく 声に出して
ありがとう、と ひとこと言う
返事はなくて 鳥が一羽
柵をけって 飛んでいった
朝、エンジンを切る
指先が ほどけていく
朝、エンジンを切る
ここで ちょうどいい
(ここで ちょうどいい)
太陽が 畦に届く
金属が もう鳴らない